岡本 綺堂

半七捕物帳

一

「残念、残念。あなたは運がわるい。ゆうべ来ると大変に御馳走があったんですよ」と、半七老人は笑った。

それは四月なかばのうららかに晴れた日であった。

「まったく残念でした。どうしてそんなに御馳走があったんです」と、わたしも笑いながら訊いた。

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