井沢 衣水・押川 春浪

本州横断 痛快徒歩旅行

前号でお別れしてから横断旅行の一隊は、炎天に照り付けられ、豪雨に洗われて、その行を続けた。峠を越すこと四、人跡絶せる深山に分け入り、峡谷の巌頭を攀じてついた日本海沿岸に出た。詳しくは全編を読め。

▲ヨタ馬車を追い越せッ

いよいよ一行は四人と相なった。水戸以来総勢八人、八溝の天※(「山+険のつくり」、第3水準1-47-78)も何のその、一足跳びにワッショイワッショイと飛び越えて来たものの、急に少なくなると何だか寂しい。それに春浪冒険将軍が都合で帰京したので、恰かも百千の味方を失ったような心地だ。

西那須からは三島通庸君が栃木県令時代に俗論を排して開いた名高い三島道路。先頭に立ったのが吉岡虎髯将軍、屑屋に払ったらば三銭五厘位のボロ洋傘をつき立てて進む。後に続く木川子、それにかく申す吾輩、殿軍としては五尺六寸ヌーボー式を発揮した未醒画伯、孰れも着茣蓙を羽織って、意気揚々塩原へこそ乗りこんだり。

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