海野 十三

深夜の市長

ナニシロコレハ一篇ノ小説デアル。作中、T市長ダノ銀座ダノトイウ名詞ガ出テクルガ、コレハ決シテ何処カノ帝都ニアッタ実話ナドヲもでるニシタモノデハゴザイマセン。

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「深夜の市長」に始めて会ったのは、陽春とは名ばかりの、恐ろしく底冷えのする三月二十九日の夜のことだった。

ラジオの気象通報は、中国大陸にあった高気圧が東行してかなり裏日本に迫り、北西風が強く吹き募ってきたことを報じた上、T市地方は二、三日うちにまた雪になるでしょうと有難くない予報をアナウンスした。

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