海野 十三

麻雀殺人事件

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それは、目下売出しの青年探偵、帆村荘六にとって、諦めようとしても、どうにも諦められない彼一生の大醜態だった。

帆村探偵ともあろうものが、ヒョイと立って手を伸ばせば届くような間近かに、何時間も坐っていた殺人犯人をノメノメと逮捕し損ったのだった。いや、それどころではない、帆村探偵は、直ぐ鼻の先で演じられていた殺人事件に、始めから終いまで一向気がつかなかったのだというのだから口惜しがるのも全く無理ではなかった。

「勝負ごとに凝るのは、これだから良くないて……」

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