海野 十三
疑問の金塊
尾行者
タバコ屋の前まで来ると、私は色硝子の輝く小窓から、チェリーを買った。
一本を口に銜えて、燐寸の火を近づけながら窓硝子の上に注目すると、向いの洋菓子店の明るい飾窓がうつっていた。その飾窓の傍には、二人連の変な男が、肩と肩とを並べて身動きもせず、こっちをジーッと睨んでいるのが見えた。
「何処までも、尾けてくる気だナ」
海野 十三
尾行者
タバコ屋の前まで来ると、私は色硝子の輝く小窓から、チェリーを買った。
一本を口に銜えて、燐寸の火を近づけながら窓硝子の上に注目すると、向いの洋菓子店の明るい飾窓がうつっていた。その飾窓の傍には、二人連の変な男が、肩と肩とを並べて身動きもせず、こっちをジーッと睨んでいるのが見えた。
「何処までも、尾けてくる気だナ」