高村 光雲
幕末維新懐古談
町内に安床という床屋がありました。
それが私どもの行きつけの家であるから、私はお湯に這入って髪を結ってもらおうと、其所へ行った。
「おう、光坊か、お前、つい、この間頭を結ったんじゃないか。浅草の観音様へでも行くのか」
主人の安さんがいいますので、
高村 光雲
町内に安床という床屋がありました。
それが私どもの行きつけの家であるから、私はお湯に這入って髪を結ってもらおうと、其所へ行った。
「おう、光坊か、お前、つい、この間頭を結ったんじゃないか。浅草の観音様へでも行くのか」
主人の安さんがいいますので、