宮本 百合子
プロレタリア美術展を観る
(一)
ほんとは一時間半もあれば充分見られるだろうと思って行ったのだ。ところが面白い。帝展なんかみたいに素通りということはとても出来ない。おしまいには鼻を押しつけるようにしても、もう見えない程暗くなって仕舞った。
今度の展覧会はビラにも印刷してある通り第三回目だ。一回二回は自分の知らないときに、種々な困難を克服して開催された。自分としては、だからはじめっから今日までの日本におけるプロレタリア美術展の発育を比較することは残念ながら出来ない。
だが、この会場に漲る活気と画題のまやかしでない現実性とは、実に興味深いものがある。第一室にある数枚の絵を見ただけで自分は感じた、――日本のプロ美術家はやっぱりうまい! と。