宮本 百合子
砂遊場からの同志
托児所からはじまる
モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)はクレムリとモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)河とをかこんで環状にひろがった都会だ。
内側の並木道と外側の並木道と二かわの古い菩提樹並木が市街をとりまき、鉱夫の帽子についている照明燈みたいな※[#丸A大文字、122-6]※[#丸B大文字、122-6]と円い標を屋根につけた電車が、冬は真白く氷花に覆われた並木道に青いスパークを散らしながら走る。
夕方、五時というと冬のモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)ではもう宵だ。アーク燈が凍った並木道の上にともる。この刻限並木道は勤めがえりの通行人で一杯だ。