宮本 百合子
南風
昨夜、ドッドと降って居た雨が朝になってすっかり上った。
白っぽい被のかかって居た木の葉も土も皆、美くしくうるおおされて、松だの槇だのの葉は針の様に、椿や樫の葉はテラテラに輝いて居る。
きめの細かくなった土面から、ホヤホヤと湯気が立って、ひどい雨にながされて出来た軽い泥の襞が、工合よくあちこちに波打って居る。
小石は、新鮮な光りを出して居るし、丁樹の香りが一層高い。
宮本 百合子
昨夜、ドッドと降って居た雨が朝になってすっかり上った。
白っぽい被のかかって居た木の葉も土も皆、美くしくうるおおされて、松だの槇だのの葉は針の様に、椿や樫の葉はテラテラに輝いて居る。
きめの細かくなった土面から、ホヤホヤと湯気が立って、ひどい雨にながされて出来た軽い泥の襞が、工合よくあちこちに波打って居る。
小石は、新鮮な光りを出して居るし、丁樹の香りが一層高い。