宮本 百合子

偶感

非常に愛らしい妹を得ると同時に、危ぶんで居た母の健康も廻復期に向って来たので、私は今又とない歓びに身を横えて居る。

それに、来年の四月頃に、何か一つまとめた物を出して、知人の間にだけでも分けたいと思って居るので、その出来上って居る腹案を筆に乗せるのに毎日苦しんで居る。

八月中には、大体の結構は出来上って居なければならない。

九月中には、胚胎を訂正し、次の月には、何か一つ出来たら書き、若し出来兼ねたら、鈍色の夢をも一度見なおさねばならない。

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