田中 貢太郎
続黄梁
福建の曾孝廉が、第一等の成績で礼部の試験に及第した時、やはりその試験に及第して新たに官吏になった二三の者と郊外に遊びに往ったが、毘廬禅院に一人の星者が泊っているということを聞いたので、いっしょに往ってその室へ入った。星者は曾の気位の高いのを見ておべっかをつかった。曾は扇を揺かしながら微笑して聞いた。
「宰相になる運命があるのかないのか」
星者は容を正して、
「二十年したら太平の宰相となります」
田中 貢太郎
福建の曾孝廉が、第一等の成績で礼部の試験に及第した時、やはりその試験に及第して新たに官吏になった二三の者と郊外に遊びに往ったが、毘廬禅院に一人の星者が泊っているということを聞いたので、いっしょに往ってその室へ入った。星者は曾の気位の高いのを見ておべっかをつかった。曾は扇を揺かしながら微笑して聞いた。
「宰相になる運命があるのかないのか」
星者は容を正して、
「二十年したら太平の宰相となります」