折口 信夫

霊魂の話

たまとたましひと

たまとたましひとは、近世的には、此二つが混乱して使はれ、大ざつぱに、同じものだと思はれて居る。尤、中には、此二つに区別があるのだらうと考へた人もあるが、明らかな答へはない様である。私にもまだ、はつきりとした説明は出来ないが、多少の明りがついた。其を中心に話を進めて見たいと思ふ。

古く日本人が考へた霊魂の信仰は、後に段々変つて行つて居る。民間的に――知識の低い階級によつて――追ひ/\に組織立てられ、統一づけられた霊魂の解釈が加はつて行つた為だと思ふ。だから其中から、似寄つたものをとり出して、一つの見当をつける事は、却々困難であるが、先大体、たまとたましひとは、違ふものだと言ふ見当だけをつけて、此話を進めたい。いづれ、最初にたまの考へがあつて、後にたましひの観念が出て来たのだらう、と言ふ所に落ちつくと思ふ。

たまの分化――神とものと

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