蘭 郁二郎

地図にない島

一

痛いばかりに澄み切った青空に、赤蜻蛉がすーい、すーいと飛んでいた。

「もう終りだね、夏も――」

中野五郎は、顔馴染になった監視員の、葦簾張りのなかに入りながら呟いた。

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