蘭 郁二郎

火星の魔術師

高原の秋

「いい空気だなア――」

英二はそういって、小鼻をびくびくさせ、両の手を野球の投手のように思い切り振廻した。

「うん。まったく澄み切ってるからね、――どうだい矢ッ張り来てよかったろう、たまにこういうところに来るのも、なんともいえん気持じゃないか」

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