林 芙美子

ひらめの学校

ひらめの学校の女の校長先生は、このごろお年をとって眼鏡をかけました。とても大きい眼鏡なので、生徒はびっくりしていました。

「まア、何て大きい眼鏡でしょうねえ。あれでは陸の上まで見えるでしょうよ。此の間、校長会議で竜宮へいらっした時、竜宮の街で、あの眼鏡を貰っていらっしゃった[#「しゃった」は底本では「しゃつた」]ンですって。」

生徒たちは、海の底の砂地に腹這ってそんな話をしていました。とてもいいお天気で、海の底にもガラスのようなまっさおい光りが透けて、水泡がぷつぷつと舞いあがっているといった気持ちのいいお天気です。

「あっ、体操の先生よ。」

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