海野 十三
少年探偵長
怪事件の第一ページ
まさか、その日、この大事件の第一ページであるとは春木少年は知らなかった。あとからいろいろ思い出してみると、その日は、運命の大きな力が、春木清をぐんぐんそこへひっぱりこんだとも思われる。
ふしぎな偶然の出来事が、ふしぎにいくつも重なって起ったような感じだが、それもみんな、清少年の運命であったにちがいないのだ。
奇々怪々なるその大事件は、第一ページにあたるその日において、ほんのちょっぴり、その切口を見せただけであった。もし春木少年が、そのときにこの事件の大きさ、深さ、ものすごさ、おそろしさを半分ぐらいでも見とおすことができたなら、彼はこの事件に関係することをあきらめたであろう。それほどこの事件は、大じかけの恐怖事件であって、とても少年の身では歯がたたないばかりか、大危険にまきこまれることは分りきっていたのである。