宮沢 賢治

虹の絵の具皿

むかし、ある霧のふかい朝でした。

王子はみんながちょっといなくなったひまに、玻璃でたたんだ自分のお室から、ひょいっと芝生へ飛びおりました。

そして蜂雀のついた青い大きな帽子を急いでかぶって、どんどん向こうへかけ出しました。

「王子さま。王子さま。どちらにいらっしゃいますか。はて、王子さま」

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