小林 多喜二

疵

「モップル」(赤色救援会)が、「班」組織によって、地域別に工場の中に直接に根を下し、大衆的基礎の上にその拡大強化をはかっている。

××地区の第××班では、その班会を開くたびに、一人二人とメンバーが殖えて行った。新しいメンバーがはいってくると、簡単な自己紹介があった。――ある時、四十位の女の人が新しくはいってきた。班の責任者が、

「中山さんのお母さんです。中山さんはとう/\今度市ヶ谷に廻ってしまったんです。」

といって、紹介した。

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