本庄 陸男
とも喰い
雪まびれになった阿母は、精根枯らした顔で帰って来た。一日村を歩きまわって、貰ったのは蕎麦殻の袋だった。それでも仔細に見ると多少の粉が篩い落されるかも知れないと云うのだ。
「救済いうて、一体何時のことやら――誰ももう耐え切れんわ。明日は役場に押しかけるんやと――」
そして袋を投げ出した。「食べるものかい?」と子供達は阿母の顔を覗き込み、袋の中に手を入れた。大きな児はそわそわしていた。
「蕎麦殻やないか? どうして食うん?」
本庄 陸男
雪まびれになった阿母は、精根枯らした顔で帰って来た。一日村を歩きまわって、貰ったのは蕎麦殻の袋だった。それでも仔細に見ると多少の粉が篩い落されるかも知れないと云うのだ。
「救済いうて、一体何時のことやら――誰ももう耐え切れんわ。明日は役場に押しかけるんやと――」
そして袋を投げ出した。「食べるものかい?」と子供達は阿母の顔を覗き込み、袋の中に手を入れた。大きな児はそわそわしていた。
「蕎麦殻やないか? どうして食うん?」