永崎 貢

組合旗を折る

職場の汚れた窓硝子越しに、その時、作業中の従業員達は見たのだ。組合旗を先頭に馘首された五十幾名が列を組んで古ぼけた工場の門をくぐって来るのを。

「おい、来たぜ来たぜ。」

従業員達は操作の手を止めて一斉に眼を窓の外に移した。五日前までは同じ職場で肩を並べて働いていた仲間が、今日は失業者になって解雇手当を受取りに来ている!

組立、熔接、仕上と、三つの職場の棟に囲まれた中央の空地に来ると、一同は立止った。列の先頭にいた組合支部長と二人の幹部が被馘首者を残して重役室の方に出掛けて行った。

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