海野 十三

奇賊は支払う

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一代の奇賊烏啼天駆と、頑張り探偵袋猫々との対峙も全く久しいものだ。

だが奇賊烏啼天駆にいわせると、袋猫々なる迷探偵などは歯牙にもかけていないそうで、袋めは奇賊烏啼を捕えて絞首台へ送ってみせると日頃から宣伝を怠らず、その実一度だって捕えたこともなく、つまりは袋探偵は余輩天駆の名声に便乗し虚名をほしいままにしているのだとある。

これに対して、探偵袋猫々は曰く、「烏啼天駆の如き傍若無人の兇賊を現代に蔓らせておくことは、わが国百万の胎児を神経質にし、将来恐怖政治時代を発生せしめる虞れがある。兇賊烏啼天駆は一日も早く絞首台へ送らざるべからず、而して今日彼を彼処へ送り得る能力ある者は、僕猫々を措いて外になし」と。

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