宮本 百合子

プロレタリア婦人作家と文化活動の問題

前書

女人芸術の編輯部から一つのたのみをうけた。それは、十月号からずっと二三ヵ月つづけて、文学に関することを何か講座風に書いてくれというのだ。

 その話をきいた時はもう締切り間もなく、おいそれと云って、まとまった筋書が立たない。自分はもし時間があったら、ソヴェトの現代作家が作品の中に婦人をどうとり扱っているか、そしてそれは、例えばツルゲーニェフやチェホフ、トルストイでもよい、革命までの所謂ロシア文学の中に現れた女性と比べて、どう階級的な、大飛躍をしているかというようなことを具体的に調べて見たいと思った。今からそれはとても間に合わない。

 そこで、とにかく、われわれがプロレタリア婦人作家として日常の芸術行動、文化活動をして行くうちの経験として最近感じた一つの問題をとりあげ、少し吟味して見ることにした。

青空文庫の作品カード