宮本 百合子
女性の生活態度
自分ひとりの生活をなんとかして一度やって見たいと思っている一方、それを反省し家庭にいるべきだと迷っている人が多いのですが――。
その気持はよく判りますね。恐らく十人が十人そう云った気持を経験しているのではないでしょうか。時代の移り変りが烈しいから、日本の家庭の中では、お母さんと娘さんでは言葉遣いまで違うのですし、それに連れ色々感情の細い動きが随分違うところがあるでしょう。それに家庭の昔ながらの習慣では女の子と云えば、矢張り子供のうちから、
「男の子とは違うんだよ」
と云う様な叱られ方から始って、「年頃」と云うものの型にはまった考え方と窮屈さがあるし、そのことが、また、先々結婚ということを見とおしている。その結婚もその家としての流れがつながっている感じだから、生活に対して、生々としたものを求め豊富な若い時代を過したいと思う人はなんとなく家庭から離れた自分一人というものを広い世の中に触れさせ、生きて見たい心持がするのでしょう。