海野 十三
爆薬の花籠
祖国近し
房枝は、三等船室の丸窓に、顔をおしあてて、左へ左へと走りさる大波のうねりを、ぼんやりと、ながめていた。
波の背に、さっきまでは、入日の残光がきらきらとうつくしくかがやいていたが、今はもう空も雲も海も、鼠色の一色にぬりつぶされてしまった。
「ああ」
海野 十三
祖国近し
房枝は、三等船室の丸窓に、顔をおしあてて、左へ左へと走りさる大波のうねりを、ぼんやりと、ながめていた。
波の背に、さっきまでは、入日の残光がきらきらとうつくしくかがやいていたが、今はもう空も雲も海も、鼠色の一色にぬりつぶされてしまった。
「ああ」