宮本 百合子

獄中への手紙

一月三日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 目白より(封書)〕

一月三日  第一信

私たちの九年目の年がはじまります、おめでとう。割合寒さのゆるやかなお正月ね。あの羽織紐していらっしゃるのでしょう? 明日は、あの色によく調和する色のコートを着ておめにかかりに出かけます。

三十一日は吉例どおり、家で寿江子と三人で夕飯をたべそれから壺井さんのところへお恭ちゃんもつれて出かけました。壺井さんのところでは大きい大きい茶ダンスをでんと茶の間にすえて、その下に御主人公、おかみさん、小豆島から出て来ている大きい方の妹さん、それから小さい妹さんの上の息子がかたまって、おもちを切っているところでした。それにマアちゃんと。

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