森 鴎外
沈黙の塔
高い塔が夕の空に聳えている。
塔の上に集まっている鴉が、立ちそうにしてはまた止まる。そして啼き騒いでいる。
鴉の群れを離れて、鴉の振舞を憎んでいるのかと思われるように、鴎が二三羽、きれぎれの啼声をして、塔に近くなったり遠くなったりして飛んでいる。
疲れたような馬が車を重げに挽いて、塔の下に来る。何物かが車から卸されて、塔の内に運び入れられる。
森 鴎外
高い塔が夕の空に聳えている。
塔の上に集まっている鴉が、立ちそうにしてはまた止まる。そして啼き騒いでいる。
鴉の群れを離れて、鴉の振舞を憎んでいるのかと思われるように、鴎が二三羽、きれぎれの啼声をして、塔に近くなったり遠くなったりして飛んでいる。
疲れたような馬が車を重げに挽いて、塔の下に来る。何物かが車から卸されて、塔の内に運び入れられる。