海野 十三

宇宙戦隊

作者より読者の皆さんへ

 この小説に出てくる物語は、今からだいぶん先のことだと思ってください。つまり未来小説であります。今から何年後のことであるか、それは皆さんの御想像にまかせます。しかしそれは百年も二百年も先のことではなく、あんがい近い未来に、このような事件がおこるのではないかと、私は考えています。

 それはそれとして、私たちは油断をしてはなりません。科学と技術とは、国防のために、また人類の幸福のために、新しい方面にむかって、どんどんきりひらいていかねばなりません。深い科学研究と、奇想天外な発明を一刻も早くつみあげていかないと、私たちも私たちの国も、とつぜんおそろしい危機をむかえなければならないでしょう。

 今日の航空戦隊は、やがて「宇宙戦隊」の時代にかわっていくことでしょう。数千メートルの高空を飛んで、敵機動部隊のま上にとびかかる航空戦隊、さらに成層圏を征服して、数時間で太平洋、大西洋を横ぎり、敵の首都に達し、大爆撃を行うことになるはずの、明日の航空戦隊――それをもっともっと強くりっぱなものにして、やがて「宇宙艦」をもって、大宇宙を制圧するまでに進めなければなりません。

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