尾形 亀之助

早春雑記

毎日のやうに隣りの鶏が庭へ入つて来る。

鶏が書斎の前をいそいで通るので、いかにも跣足で歩いてゐるやうな恰好をする。羽や鳥冠が立派で、その上雄鶏などはすましてゐるやうな様子をしてゐるので可笑しい。

彼等の中に一匹奇妙な鳴声をする雌がゐる。

四五日前から地つづきに家主が家を建てゝゐる。今日は午後から曇つて、夕暮から雨になつた。

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