泉 鏡花

女客

一

「謹さん、お手紙、」

と階子段から声を掛けて、二階の六畳へ上り切らず、欄干に白やかな手をかけて、顔を斜に覗きながら、背後向きに机に寄った当家の主人に、一枚を齎らした。

「憚り、」

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