泉 鏡花

神鷺之巻

一

白鷺明神の祠へ――一緑の森をその峰に仰いで、小県銑吉がいざ詣でようとすると、案内に立ちそうな村の爺さんが少なからず難色を顕わした。

この爺さんは、

「――おらが口で、更めていうではねえがなす、内の媼は、へい一通りならねえ巫女でがすで。」……

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