芥川 竜之介
才一巧亦不二
ヴオルテエルが子供の時は神童だつた。
処が、或る人が、
「十で神童、十五で才子、二十過ぎれば並の人、といふこともあるから、子供の時に悧巧でも大人になつて馬鹿にならないとは限らない。だから神童と云はれるのも考へものだ」と云つた。
すると、それを聞いたヴオルテエルが、その人の顔を眺めながら、
芥川 竜之介
ヴオルテエルが子供の時は神童だつた。
処が、或る人が、
「十で神童、十五で才子、二十過ぎれば並の人、といふこともあるから、子供の時に悧巧でも大人になつて馬鹿にならないとは限らない。だから神童と云はれるのも考へものだ」と云つた。
すると、それを聞いたヴオルテエルが、その人の顔を眺めながら、