宮本 百合子
飛行機の下の村
旧佐倉街道を横に切れると習志野に連る一帯の大雑木林だ。赤土の開墾道を多勢の男連が出てシャベルやスコップで道路工事をやっている。×村から野菜を○○へ運び出すのに、道はここ一つだ。それを軍馬が壊すので、村民がしなければならない。爺さんまで出て腰の煙草入を振り振りモッコの片棒担いでいる。
附近に陸軍飛行機学校、機関銃隊、騎兵連隊、重砲隊などがある。開墾部落はその間に散在しているのだ。
南京豆と胡麻畑の奥に、小さい藁葺屋根の家が見えた。われわれ一行三人が、前庭に入って行くと、
「よう!」