宮沢 賢治
チュウリップの幻術
この農園のすもものかきねはいっぱいに青じろい花をつけています。
雲は光って立派な玉髄の置物です。四方の空を繞ります。
すもものかきねのはずれから一人の洋傘直しが荷物をしょって、この月光をちりばめた緑の障壁に沿ってやって来ます。
てくてくあるいてくるその黒い細い脚はたしかに鹿に肖ています。そして日が照っているために荷物の上にかざされた赤白だんだらの小さな洋傘は有平糖でできてるように思われます。
宮沢 賢治
この農園のすもものかきねはいっぱいに青じろい花をつけています。
雲は光って立派な玉髄の置物です。四方の空を繞ります。
すもものかきねのはずれから一人の洋傘直しが荷物をしょって、この月光をちりばめた緑の障壁に沿ってやって来ます。
てくてくあるいてくるその黒い細い脚はたしかに鹿に肖ています。そして日が照っているために荷物の上にかざされた赤白だんだらの小さな洋傘は有平糖でできてるように思われます。