宮本 百合子
無題(二)
十一月十九日
North Carolina と South Carolina との間を通る。
砂の多い、白く光る地面には、粗毛のような薄茶色の草が一杯に生えて、晩秋の日を吸いながら輝く色々の樹木の間には、Sandstorm をふせぐための、腰の高い木造のバラックが、ポツリポツリ並んで居る。
赤みを帯びた卵色の地の色と、常緑樹と、軽い水色の空は、風景にふしぎな愛しみと暖かみを与える。とりのこされた綿の実が、白く見える耕地からゆるやかな起伏をもって延びて居る、色彩の多い遠景、近くに見ると、色絨壇のような樹々の色も、遠くなるにつれて、混合した、一種の雑色となって、澄んだ空の下に横わって居る。