宮本 百合子

折たく柴

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支那事変がはじまって五年、大東亜戦争がはじまって満一ヵ年と十ヵ月経って秋も深くなった。

燃料がどこの家でも不如意になって来ていて、風呂たきは注意ぶかい一家の行事の一つとなった。

いろいろのものが焚かれるようになって来た。物置はそのために隅々までしらべられ、もう十七年も前、駒沢の家から外国旅行に出るとき、遑しい引越し荷物の一部として石油の空かんにつめられた古雑誌も出て来た。どの雑誌も厚くて、いい紙がつかわれていて、昭和二年頃のものである。

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