グリム ヴィルヘルム・カール・グリム ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール
星の銀貨
むかし、むかし、小さい女の子がありました。この子には、おとうさんもおかあさんもありませんでした。たいへんびんぼうでしたから、しまいには、もう住むにもへやはないし、もうねるにも寝床がないようになって、とうとうおしまいには、からだにつけたもののほかは、手にもったパンひとかけきりで、それもなさけぶかい人がめぐんでくれたものでした。
でも、この子は、心のすなおな、信心のあつい子でありました。それでも、こんなにして世の中からまるで見すてられてしまっているので、この子は、やさしい神さまのお力にだけすがって、ひとりぼっち、野原の上をあるいて行きました。すると、そこへ、びんぼうらしい男が出て来て、
「ねえ、なにかたべるものをおくれ。おなかがすいてたまらないよ。」と、いいました。
女の子は、もっていたパンひとかけのこらず、その男にやってしまいました。そして、