豊島 与志雄

失われた半身

独りでコーヒーをすすっていると、戸川がはいって来て、ちょっと照れたような笑顔をし、おれと向き合って席についた。

「やはり……いつもの通りだね。」

「うむ、習慣みたいなものさ。」

「習慣……、」戸川はなにか途惑ったようで、「然し、一週に一回の習慣というのが、あるかなあ。」

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