豊島 与志雄

田園の幻

「おじさん、砂糖黍たべようか。」

宗太郎が駆けて来て、縁側に腰掛け煙草をふかしている私の方を、甘えるように見上げた。私に食べさせるというより、自分が食べたそうな眼色である。

「だって、君んとこに、砂糖黍作ってないじゃないか。」

「うん、貰って来るよ。今日はお祭りだから、誰も叱りゃしない。」

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