マロ エクトール・アンリ

家なき子

生い立ち

わたしは捨て子だった。

でも八つの年まではほかの子どもと同じように、母親があると思っていた。それは、わたしが泣けばきっと一人の女が来て、優しくだきしめてくれたからだ。

その女がねかしつけに来てくれるまで、わたしはけっしてねどこにははいらなかった。冬のあらしがだんごのような雪をふきつけて窓ガラスを白くするじぶんになると、この女の人は両手の間にわたしの足をおさえて、歌を歌いながら暖めてくれた。その歌の節も文句も、いまに忘れずにいる。

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