芥川 竜之介杜子春一或春の日暮です。唐の都洛陽の西の門の下に、ぼんやり空を仰いでいる、一人の若者がありました。若者は名を杜子春といって、元は金持の息子でしたが、今は財産を費い尽して、その日の暮しにも困る位、憐な身分になっているのです。青空文庫の作品カード