ペロー シャルル
眠る森のお姫さま
一
むかしむかし、王様とお妃がありました。おふたりは、こどものないことを、なにより悲しがっておいでになりました。それは、どんなに悲しがっていたでしょうか、とても口ではいいつくせないほどでした。そのために、世界じゅうの海という海を渡って、神様を願をかけるやら、お寺に巡礼をするやらで、いろいろに信心をささげてみましたが、みんな、それはむだでした。
でもそのうち、とうとう信心のまことがとどいて、お妃に、ひいさまの赤ちゃんが生まれました。それでさっそく、さかんな洗礼の式をあげることになって、お姫さまの名づけ親になる教母には、国じゅうの妖女が、のこらず呼び出されました。その数は、みんなで七人でした。そのじぶんの妖女なかまのならわしにしたがい、七人の妖女は、めいめい、ひとつずつ、りっぱなおくりものを持って来るはずでした。ですから、生まれたときから、お姫さまには、もうこの世でのぞめるかぎりのことで、なにひとつ身にそなわらないものはなかったのでございます。
さて洗礼式がすんだあと、呼ばれた七人のなかま一同が、王様のお城にかえりますと、そこには、妖女たちのために、りっぱなごちそうのしたくが、できていました。ひとりひとりの食卓の上には、お皿や杯の食器がひとそろいならべてあって、それは、大きな金の箱にはいっている、さじだの、ナイフだの、フォークだので、こののこらずが、ダイヤモンドとルビーをちりばめた、純金製のものでした。