坂口 安吾
巷談師
「ヘタな小説が売れなくなって巷談師になったのか。お前の底は見えた。恥を知れ。
一共産党員」
安吾巷談その三「野坂中尉と中西伍長」には全国の共産党員から夥しい反響があった。これも、その一つである。簡にして要を得、秀作である。
「お前の顔は……」このあとは、本人は書きたくない。私の顔に文句をつけるのは筋ちがいだが、「林芙美子との対談の愚劣さよ。両醜無断……」林さんにはお気の毒だが、こういうのもきた。両醜は簡潔。よく醜の字を知っている。あとの「無断」がわからない。しかし、一刀両断とか、言語道断とか、それに似てバッサリと斬り伏せる趣きは充分現れているから、文を学べば、一かどの文士になった人物かも知れない。