中里 介山
大菩薩峠
一
天井の高い、ガランとした田舎家の、大きな炉の傍に、寂然として座を占めているのが弁信法師であります。
時は夜であります。
弁信の坐っている後ろには、六枚屏風の煤けたのがあって、その左に角行燈がありますけれど、それには火が入っておりません。
中里 介山
一
天井の高い、ガランとした田舎家の、大きな炉の傍に、寂然として座を占めているのが弁信法師であります。
時は夜であります。
弁信の坐っている後ろには、六枚屏風の煤けたのがあって、その左に角行燈がありますけれど、それには火が入っておりません。