中里 介山

大菩薩峠

一

駒井甚三郎は清澄の茂太郎の天才を、科学的に導いてやろうとの意図は持っていませんけれど、その教育法は、おのずからそうなって行くのです。

駒井は研究の傍ら、茂太郎を引きつけて置いて、これに数の観念を与えようとします。

天文を見る時は、暗記的に、星座や緯度を教え、航海術に及ぶ時は、星を標準としての方位を教え込もうとするのを常とします。

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