木下 尚江

自由の使徒・島田三郎

幸福なる思ひ出

若き友よ。

僕が島田三郎先生を語るとなれば、直ぐに一つの場面が目に浮ぶ。

大正十二年、この年は正月早々から先生は身心の疲労で、議会へも出なされず一切来客を謝絶して、番町の自邸で静養して居られた。かゝる時、僕のやうな世務に全く無交渉の者は幸福で、時々お邪魔して、自由にお話することが出来た。

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