新美 南吉

うまれて 来る 雀達

その 雀は びつこでした。まだ やつと 飛べるやうに なつたばかりの 頃、いたづらな 少年に とらへられて 片足を ひもで 固く 縛られましたため か弱い 足は きづついて しまつたのでした。

その びつこの 雀が 麥畑の 黄く なる 頃 或る 家の 軒に 三つの 卵を うみました。

雀は うれしくて うれしくて、三つの 卵を 胸の 下に ぢつと だきしめて ゐました。

忙しい 蜜蜂が 飛んで 來ました。

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