蘭 郁二郎

蝕眠譜

一

(一体、どうしたのだろう……)

私は、すくなからず、不安になって来た。あの親友黒住箒吉がまるで、ここ二三ヶ月というもの消息不明になってしまったのだ。

私が、自分から「親友」などと呼びかけるのは、聊さかキザだけれど、でも、彼には、あの変屈な金持黒住箒吉には、友だちというものは、この私一人しかいない筈なのだ。

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