ドイル アーサー・コナン
グロリア・スコット号
「僕、ここに書類を持ってるんだがね……」
と、私の友人、シャーロック・ホームズは云った。それは冬のある夜のことで、私たちは火をかこんで腰かけていた。
「ワトソン君、これは君も一読しといていいものだろうと思うんだよ。そら例の『グロリア・スコット』の怪事件なんだが、それからこの手紙は、治安判事のトレヴォが、それを読んで、恐怖のため死んでしまった手紙なんだよ」
彼は抽斗から少しよごれた円筒形に巻いたものをとり出し、そのテイプをほどいて、灰色の半截の紙の上に、ぞんざいな字で書いてある、短い文句の書いてある紙を、私に手渡した。