岸田 国士

博物誌あとがき

『博物誌』という題は“Histoires Naturelles”の訳であるが、これはもうこれで世間に通った訳語だと思うから、そのまま使うことにした。

フランスにおける原著の最初の出版は一八九六年で、四十五の項目しかなかった。一九〇四年にフラマリオン社から出たのが、まず当時の決定普及版と言ってよく、七十項目から成っている。この訳はそれに拠ったものである。ボナールの挿絵もこの版では原本から引き写すことにした。

さきに、若干部の限定版を作ったが、それには明石哲三君が特別に描いてくれた絵を数枚入れた。念のためにここに記しておく。

ルナールの死後、全集に収められている『博物誌』は、多少、この版と内容が違うけれども、わざわざそれに従う必要はないと思った。

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