小酒井 不木

段梯子の恐怖

「探偵趣味」第四号の配達された日、私を訪ねた友人Fは、室にはいるなり、

「もう来たかね?」といって、机の上にあった雑誌を、いきなり取り上げて、ページを繰り始めた。彼はことし三十七歳の独身の弁護士である。

「その十四ページを見給え、編集当番のNさんが、段梯子の恐怖ということを書いて居るから……」

「え?」と彼は雑誌をまるめ、びっくりしたような顔をして私を見つめた。

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